2日に見た映画

アンドリュー NDR114

これもかなりメジャーですが、先日地上波で放送するとのCMを見てそういえば見てないなと思い出し、吹き替えは嫌いなので借りてきました。

余談ですが、この前ついつい地上波で「フォレスト・ガンプ」をやっていたので見てしまいましたが、あまりの声優のつたなさに呆れて後半は英語に切り替えてしまいました。声も演技の一つです。まあ意味は半分くらいしか分かりませんでしたが。
しかしディズニー・アニメ等の吹き替えは今のところハズレ無しだと思っています。
やはりアニメの当てレコは日本に一日の長があるのでしょう。

これは借りて初めて知ったのですが、この映画、邦題はご存じ「アンドリューNDR114」ですが、原題は"BICENTENNIAL MAN"というそうです。
直訳すると「200年生きた男」とでもなるのでしょうか。

またしても余談ですが、映画の邦題には英語をそのままカタカナにしたもの、直訳したもの、意訳したものなど様々なパターンがあります。
それぞれ
"BACK TO THE FUTURE"=「バック・トゥ・ザ・フューチャー
"GONE WITH THE WIND"=「風と共に去りぬ
"THE SHAWSHANK REDEMPTION"=「ショーシャンクの空に
といった例が挙げられます。
大まかに言って旧作に意訳が多く、年を追うごとにカタカナ・直訳が多くなっているようです。
これには日本人が英語になれてきた、という原因もありますが、制作者サイドが現地語のタイトルをチェックするようになった、というのが大きいそうです。
タイトルは映画のイメージを決定する重要なファクターですから当然といえば当然ですね。
まあ逆に言えば昔は勝手に邦題を決めていた、という事なのですが。


そんなわけでよく言われる「最近の映画のタイトルは横文字か直訳ばかりだ!邦題制作者の日本語能力が低下している!」とかいう言説は原因分析に於いて間違っているわけですね。
というか、わざわざ頭捻って考えた原題にいちいちケチを付ける方が間違っていると思うのですが。しかし古い映画の邦題には原題より日本人になじみやすく、かつ内容とマッチした素晴らしい題が多いのも確かです。


とは言え言語が違えば言葉のイメージが違うのも当然の話。
前述の「ショーシャンクの空に」も直訳すると「ショーシャンクの救い」となってしまい「???」となってしまいます。この映画のイメージを日本人に伝えるにはやはり「ショーシャンクの空に」としたほうが良いのは明らかです。
そういう場合には映画会社も邦題にある程度寛容なのですね。


さて、そんなわけで上記の"BICENTENNIAL MAN"=「アンドリューNDR114」などは完全に創作された邦題ですが、これも意訳しないことで成功した邦題でしょう。
「NDR114」という無機的な文字列がアンドリューのニュートラルな状態での「モノ」性を強調することで、本編での彼の人間としての成長をより感動的なものにしていく、といった意図があったのかどうか。


余談ついでに映画の邦題クイズでも。どれも日本でもかなり有名な映画です。
1)THE LEGEND OF 1900
2)AS GOOD AS IT GETS
3)THE SECRET OF MY SUCCESS
4)MUMMY


ちなみに当ブログの"Sasso baritono"は「バリトンサックス」という意味のイタリア語です。
これなんかは内容も考えずただ語感の良さにつられて決めてしまったダメなタイトルの例ですね…。

かなり余談が長引きましたが、アンドリューの話でした。


とても丁寧に作り込まれたストーリーです。原作はアイザック・アシモフだそうで。
個人的には中盤以降のアンドリューの動作が唐突に人間くさくなってしまうのが少々残念でして、より丁寧にアンドロイドから人間への以降を演技で描いて欲しかった気もしますが、そんなことも目がつむれる切ないストーリーです。
最後にアンドリューが妻と共に永眠するシーンがあるのですが、そのシーンでは思わず涙をぬぐってしまいました。
映画ではラストシーンに「死」を描くのは「後味の悪さを残す」ということで嫌われる傾向にあるらしいのですが、この映画のラストシーンにネガティブなイメージを抱く人はあまりいないでしょう。
本当に「感動させる」ことに丁寧な映画で、素直に感動させてもらいました。
ハリウッド映画のこういう部分は大好きです。
「アングラさ」を唯一の売りにしている最近のラディカルな日本映画も嫌いではありませんが、ああいった制作者中心の作品よりこういった受け手中心の作品の方が見ていてラクです。
年なのかなぁ。


あ、邦題当てクイズの解答は明日の日記にて。