まあとにかく
酷くカルチャーショックを受けた一日でした。
そこで考えたこと。
ああやって人間怪しい宗教にはまってしまうんだろうなあと言うこと。
そこの楽器屋さん、おじいちゃんと息子さんがやってるとこなんだけど、おじいちゃんはまだ信用できる。
我々楽器吹きとしては、リペアというか調整で音を変える以上、それなりのアクションを期待するものなんです。
「おおっ!けずってる!けずってるよ!!」
とか
「すげっ!叩いてる!叩いてるよ!!」
とか
「ぎゃあっ!バラしてる!バラしてるよ!!」
とか
「なぶちっ!ぶつけてる!ぶつけてるよ!!」
とか。
そういうアレの後に吹いてみて「おおー。」ってんなら話は分かる訳よ。
で、おじいちゃんの方は現にいろいろいじくり回してくれて、その結果楽器の鳴りは良く鳴ったのさ。
しかし怪しいのは息子。
「楽器は科学だ」とか分かるようなわからんような事を宣った挙げ句、管体に電気を流すだのポカリスエット掛けるだの散々っぱら怪しいことをした挙げ句、終いにゃ金槌で楽器をさすり始める始末。
まあやられたのはN田の楽器な訳だが、確かに言われてみりゃ良くなったような気もする。
しかし一方でそれは暗示じゃないのか?という気がぷんぷんするのである。
良くわからんが(ここ重要)なにやらそれっぽいことをした後に「こうすると良くなったよ」と言われりゃそう思いこんでしまうもんじゃないのか。
医学の世界では良くある話で。
例えば末期ガン患者に
「これはアメリカの研究所で開発されたガンの特効薬です。研究所内の実験ではこれを服用した末期ガン患者の実に80パーセントが奇跡的な回復を遂げています。主な成分はジチルアミノエタンキシオサイドとロクソトキサンペプチドでして、これらの成分がリンパ管中のエボキシルカルボントキナーゼレセプターと結合して体内の抗ガン化を促進するのです。しかし実は日本ではロクソトキサンペプチドが治療薬として認可されていないため保険が効かないのです。でも私は一人でも多くのガンに苦しむ患者さんを助けたいと思いこの薬を個人的に入手したのです。イトウさん、早く元気になってお子さんの授業参観に行きたくありませんか!?」
とか言ってビタミン剤を渡したところ、治ってしまった例が多々あるらしい。
病は気から。
イワシの頭も信心から。
豚もおだてりゃ木に登る。
プラシーボ効果と言うそうで。
ちなみにプラシーボ効果はプラシーボ効果の概念自体を知っていても弱まることはないそうです。
だって俺未だに風邪薬飲んだら風邪治っちゃうもん。
閑話休題。
まあそんなわけで、いかにもな理論といかにもな手つきで楽器いじられたら現実は全く変わってないのに何となく良くなった気がするものではないかなと。
未だにどれだけ集中してもスタッカートをしくじる僕ですから。
しかし一度はまってしまったらもう抜けられない。
一緒に来てる奴に「いや、かわんねぇよ」の一言が言えない。
おお。恐るべしは集団催眠。
というわけで、今日は集団催眠を実体験してきますた。